遺言書は民法で厳格に定められております。法律に沿わない場合などは遺言書が無効になるケースがあります。今回は無効になる遺言書についてまとめました。
方式などに欠格がある自筆証書遺言
自筆証書遺言の必要条件として遺言者が、遺言書の全文、日付、氏名を自分で書くことです。これら一つが欠けてしまうと無効になります。また紙に書く必要があり録音やPC上での作成は無効となります。
加筆修正も厳格に定められており、万が一自分の氏名をあやまり正しい加筆修正の手順を踏んでいないケースは無効となります。なお当然ですが、本人でなく代理や偽造の遺言も無効となります。
共同遺言
遺言書は遺言者本人が単独で書くものです。夫婦での共同遺言などは法律上無効となります。
遺言の撤回
本人の意思で遺言の撤回を手順を踏んで行った場合、遺言は無効となります。また遺言を書き直したりした場合は最新の有効な遺言のみが有効となり過去の遺言は無効となります。
公序良俗違反の遺言
公序良俗違反の遺言は認められません。この場合無効となります。一方で公序良俗違反の遺言とはどのようなものになるでしょうか?
考えられるケースとして不倫相手に対する遺贈があります。しかしこれは過去の判決で必ずしも無効になるわけではございません。実際に過去の判例で有効になったケースがございました。
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第90条(公序良俗)
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公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
公正証書遺言で無効になるケース
公正証書遺言は自筆証書遺言に比べて無効になることは少ないですが、無効になるケースも当然ございます。一つは遺言の趣旨の口授がされないケースです。遺言能力がない場合は当然遺言の内容を公証人に口授することもできないため無効と主張することができます。
公正証書遺言は公証人がいるので有効性の確認はできるものの、遺言能力の有無については別議論となります。また遺言の証人は民法974条に定められている通り、推定相続人などはなれません。あとで発覚したケースは無効になります。
大田区城南相続センターでご依頼いただいた場合は、証人の選定なども不備がないように行いますので、安心して遺言を作成することが可能です。
自筆証書遺言を勝手に開封した場合
自筆証書遺言は開封前に検認手続きが必要になります。これは民法1004条で規定されている手続きです。
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第1004条(遺言書の検認)
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遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
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前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
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封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。
この手続きを無視して相続人等の誰かが開封してしまった場合、遺言書自体は無効になりません。一方で誤って開封してしまった人には5万円以下の過料が定められております。
